

2026.2.9
「思考力や表現力を育てる教育を受けさせたい」
そう考える保護者の間で注目されているのが、ピラミッドメソッドです。
ピラミッドメソッドは、オランダで開発された教育メソッドで、子どもが自ら考え、学びを深める力を育てることを目的としています。観察や実験、対話といった体験を通じて「なぜ?」「どうして?」と問いを立て、自分の頭で考える力を伸ばす教育法です。
現在、日本でも小学校受験を視野に入れる家庭の間で注目が高まっています。背景には、教育方針の変化があります。従来の暗記中心の学習に代わり、「思考力・判断力・表現力」といった非認知能力の重要性が高まっているためです。
本記事では、ピラミッドメソッドの基本的な考え方から、育まれる4つの力、家庭でできる実践方法までを詳しく解説します。
お子さまの主体的な学びを支えたいと考えている方は、ぜひ参考にしてください。
ピラミッドメソッドとは、子どもの「自ら考え、学びを広げる力」を育てる教育法です。オランダで開発されたこのメソッドは、発達心理学や教育心理学に基づき、子どもの好奇心や探究心を引き出すことを目的としています。教師が一方的に知識を教えるのではなく、観察・実験・対話を通じて「なぜ?」を自分で探る力を育てる点が特徴です。
日本では、思考力や表現力を重視する教育方針への転換が進んでいることから、ピラミッドメソッドが注目を集めています。従来の暗記型教育に代わり、論理的思考・協働・創造といった非認知能力の育成が重視されています。小学校受験においても、「考え方を説明する」「自分の意見を伝える」問題が増えており、この教育法は受験対策の基礎づくりとしても有効です。
ピラミッドメソッドは、知識を詰め込むのではなく「考える楽しさ」を学ぶ教育です。子どもが主体的に学ぶ姿勢を身につけることが、将来の学びの土台になるといえるでしょう。
ピラミッドメソッドでは、次の4つの力を育てられます。それぞれ、詳しく解説します。
ピラミッドメソッドの中心にあるのは、子どもが自分の力で考えるプロセスを重ねることです。教師は答えを提示せず、問いかけを通じて子ども自身に考えさせます。観察や比較、仮説立てなどの思考活動を繰り返すことで、論理的な思考力が自然に育ちます。
例えば、植物の成長を観察する活動では「どうして伸びたと思う?」「ほかの植物との違いは何だろう?」といった質問を重ねます。子どもは自分なりの仮説を立て、結果を見て考えを修正します。この経験が、単なる知識習得では得られない「考える力」の基盤となるのです。
受験でも、答えだけでなく「どのように考えたか」を問われる場面が増えています。ピラミッドメソッドは、まさにその思考過程を鍛える教育法といえるでしょう。
ピラミッドメソッドでは、学びの最後に「自分の考えを言葉で伝える時間」を設けます。活動を通じて得た気づきや発見を自分の言葉で整理し、他者に伝えることが目的です。
自分の考えを言葉にする過程で、論理的な構成力や語彙力が高まります。さらに、他の子どもの発表を聞くことで、自分との違いに気づき、思考がより深まります。この双方向の学びが、単なる発表練習ではなく“思考を言語化する訓練”となるのです。
小学校受験では、面接や口頭試問で「自分の意見を理由とともに述べる力」が求められます。ピラミッドメソッドによって、自然な会話の中で言語化力を磨くことができるでしょう。
ピラミッドメソッドの活動は、個人だけでなくグループ単位でも行われます。複数人で意見を出し合い、協力して一つの課題に取り組む経験を重ねることで、他者と関わる力が育つのです。
この協働体験は、社会性やコミュニケーション能力の基礎をつくります。意見が違う場面でも「どうすれば一緒に進めるか」を考える力が身につくため、相手を尊重しながら自分の考えを伝える姿勢が養われます。
また、子ども同士のやり取りの中に、思考の刺激や模倣が生まれるのも特徴です。これが「学び合い」の文化を育み、学校生活や社会生活への適応力につながるのです。
ピラミッドメソッドでは、五感を通じた体験を重視します。見る・触れる・聞く・作るといった活動を通じて、子どもが自分の感覚を表現する機会を得るのです。
たとえば、季節の自然や音の違いを観察し、絵や工作で表現する活動では、感じたことを形にする過程を大切にします。この経験が創造力を引き出し、「感じたことを表す力」につながるのです。。
感性を育てることは、思考力を支える土台でもあります。多様な体験を通じて「何をどう感じたか」を言語化できる子どもは、物事をより深く理解できるようになります。
ピラミッドメソッドは、家庭でのフォローを行うことでより効果的に実践可能です。家庭でできるフォローには、次のようなものがあります。それぞれ、詳しく解説します。
ピラミッドメソッドの学びを家庭でも活かすには、親の問いかけの工夫が重要です。子どもが「なんでこうなるの?」「これってどうして?」と話しかけてきたとき、すぐに答えを教えるのではなく、「どう思う?」「他の方法もあるかもね」と問い返してみましょう。このような対話が、思考力の土台となる「自分で考える習慣」を育てます。
大切なのは、「わからないから教える」ではなく、「考える機会を一緒につくる」というスタンスです。親が答えを出すのではなく、一緒に悩み、一緒に考えることで、子どもは「問いに向き合う姿勢」を自然に身につけていきます。特に小学校受験では、解答だけでなく「考え方」を説明させる問題が増えています。家庭での問い返しは、その準備にもなるでしょう。
問い返しを日常会話に取り入れることで、親子のコミュニケーションも深まります。短時間でも、日々の中で積み重ねることで、子どもの思考力は着実に伸びていくでしょう。
ピラミッドメソッドでは「体験→思考→表現」の流れを重視しています。家庭でこれを支えるには、日常の中に「小さな探究体験」を取り入れることが効果的です。たとえば、料理、買い物、公園での遊びなどを通じて、「どっちの方が重たいかな?」「なぜ泡が出ると思う?」といった声かけをすることで、子どもの好奇心を刺激できます。
大切なのは、特別なイベントを用意することではなく、「いつもの生活」に問いや発見を紐づけることです。スーパーの野菜売り場で色の違いや値段の違いに気づいたり、季節の変化に合わせて気温や匂いを感じたりするだけでも、立派な学びになります。
こうした体験の蓄積は、抽象的な概念を理解する土台となります。また、子どもが感じたことを自分の言葉で説明する機会にもつながり、言語化力の強化にも役立つでしょう。家庭内の体験が、子どもの探究力や思考力を豊かにするきっかけになるのです。
子どもの思考力や表現力を高めるには、「言葉でまとめる力」の育成が欠かせません。ピラミッドメソッドでも、活動後に「感じたこと」「わかったこと」を言葉で共有するプロセスが重視されます。これを家庭で実践するには、1日の終わりに「今日いちばん楽しかったことは?」「どんなことにびっくりした?」といった問いかけを習慣化するのが効果的です。
ポイントは、「できごと」だけでなく「そのときどう思ったか」「なぜそうしたか」まで掘り下げて聞くことです。親が「そうなんだね」と受け止めたうえで、「どうしてそう感じたの?」と一歩踏み込むことで、子どもは自分の思考を整理し、筋道を立てて話す力を自然に磨いていきます。
また、子どもが話したことに対して「それは面白いね」「考えたんだね」と反応することで、自信や自己肯定感も高まります。発言する習慣をつけることは、小学校受験の面接対策としても有効です。家庭での振り返り対話が、深い学びと表現力の基盤となるでしょう。
ピラミッドメソッドの教育方針では、「結果」よりも「過程」に価値を置いています。これは家庭での声かけにも応用できます。子どもが何かに取り組んだとき、「うまくできたね」だけで終わらせるのではなく、「最後までやりきったね」「工夫してたね」といった努力や工夫のプロセスを具体的に褒めましょう。
プロセスを認められる経験は「やってみること自体が価値あることだ」と感じさせ、挑戦へのハードルを下げます。これにより、結果が出なくても「次はこうしてみよう」と前向きな思考が育ちます。また、「できる・できない」ではなく「考えた・工夫した」という視点での評価は、子どもの自己肯定感を大きく高めるのです。
過程への肯定は、失敗を恐れずにチャレンジする姿勢をつくることにもつながります。ピラミッドメソッドの考え方を理解したうえで、家庭でも一貫性のあるフィードバックを行うことで、教育効果はさらに高まります。
ピラミッドメソッドは、知識を教える教育ではなく、「考え、伝え、協働する力」を育む教育法です。この学び方によって、子どもは自ら考える喜びを知り、思考と表現を結びつけられるようになります。
小学校受験では、単なる暗記では測れない思考の深さが問われます。ピラミッドメソッドを通じて、考える力・表現する力を早期に育てておくことが、受験準備だけでなく、入学後の探究学習にも役立つでしょう。
まずは、導入している幼稚園や教室の見学・体験を通じて、実際の学び方を確かめてみてください。子どもの「学びの土台」をつくる一歩として、ピラミッドメソッドの活用を検討してみることをおすすめします。