2024.6.8
子どもを育てていくうえで、「0〜3歳の時期が大切」とよく耳にしますが、なぜ0〜3歳の時期が大切か理解している人は少ないのではないでしょうか?
生まれてから3歳までの時期は、実は子どもの潜在的な能力が飛躍的に伸びる時期といわれています。この時期の過ごし方や関わり方がその後の成長を左右すると言っても過言ではありません。しかし、大きく影響を与えると分かっていても「具体的に何をしてあげればいいの?」と疑問に思ってしまいますよね。
本記事では、3歳までの成長が重要な理由ややるべきこと、子育ての重要なポイントについて解説します。
生まれてから3歳までと聞くと期間的には短い気がしますが、人間の脳は3歳までに80〜90%完成するといわれています。まず、生まれてすぐ視覚や聴覚、触覚といった感覚を感じる部分が発達を始めます。そこから徐々に、言語の理解をつかさどる部分や身体を動かす運動野の部分が発達を始めます。
人間の脳は、数百億個の神経細胞がつながっていくことでさまざまな能力が発揮されていく仕組みです。この神経細胞同士が接続していく部分をシナプスといいますが、このシナプスは3歳までの間が一番増えていくといわれています。そのため、神経細胞のネットワークがどんどん構築されていき、多くの言葉を覚えたり、色んなことに興味を持ったりして成長していくのです。
脳が著しく成長するこの期間に、さまざまな経験や学びを得ておくことで、子どもたちの潜在的な能力が飛躍的に伸びていくといえるでしょう。
0〜3歳の時期は脳が飛躍的に発達し、成長にとって重要な時期です。この時期に多くの経験や学びをしておくことで、人間として成長していく大きなきっかけとなります。ここからは3歳までにやるべきことを解説します。おすすめは以下の7つです。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
3歳までの期間は言語を習得する能力がとても高い時期です。1歳ごろは単語だけで話をしますが、3歳にもなれば単語同士を接続詞でつなげたり、少しずつ長めの会話ができるようになったりします。
生まれてから1歳ごろまでは一方的に親が話しかけることが多いかもしれませんが、徐々に言葉のキャッチボールができるようになってくるため、会話を楽しめる機会がどんどん増えていくでしょう。子どもとの会話量を増やし、積極的に関わっていくことで、言語能力を身に着けるサポートをおこなってあげましょう。
運動は子どもの成長に非常に重要です。もちろん身体的な成長のためにも重要ですが、運動機能は脳の成長によっても発達していきます。
一般的に1歳くらいで歩けるようになり、2歳で走ったり、飛び跳ねたりするようになります。3歳になると遊びや日常の中でさまざまな身体の使い方を覚えて、複雑な動きもできるようになってきます。身体の成長と共に脳神経も発達していくので、一気に運動能力が向上していくのです。
ただ、運動をすることは大切ですが、まだまだ運動能力が未発達です。そのため、無理にハードな運動をさせる必要はありません。ボール遊びや鬼ごっこ、公園での散歩など、のびのびと楽しめるような遊びを通して運動能力の成長のサポートをしましょう。
信頼関係があることで、子どもは安心して話しかけたり、興味を持ったりします。信頼関係を構築することは、成長にとって無くてはならないものといえるでしょう。
信頼関係を構築するポイントは、深い愛情で関わってあげることです。抱っこする、ハグするといった触れ合いから、子どもは「愛されている」と感じ取ります。触れ合いの時間を大切にして、たくさんコミュニケーションをとりましょう。
規則正しい生活を送って、生活リズムを整えるようにしておきましょう。生活リズムが整っていなければ、将来的に幼稚園や学校が始まった時に苦労してしまいます。睡眠不足になりやすくなってしまったり、集中力が無かったりなど、日常を楽しく過ごすことが出来なくなってしまうかもしれません。
子どもは規則正しい生活を自分だけでおこなうことが難しいです。そのため、親がなるべく早い時期から、規則正しい生活を送れるようにサポートしてあげてください。以下のようなポイントをおさえておくとよいでしょう。
自然は子供の好奇心を刺激します。また、3歳ごろの時期は非常に感受性が豊かなので、自然と触れることで感性が大きく磨かれます。近所の公園や近くの川で遊ぶだけでも、色んな体験ができるきっかけになります。新しい発見や経験ができるので、たくさん自然に触れさせてあげましょう。
自然の中で遊んでいると、服や靴などが汚れてしまったり、ボロボロになってしまったりすることもあるかもしれません。危険なことをしそうになった時は注意することも必要かもしれませんが、服や靴の汚れを気にして好奇心を制御するようなことはしないように気をつけましょう。
絵本の読み聞かせは、言語能力や想像力などを発達させるために重要です。先ほども触れましたが、3歳までの期間は言語を習得する能力がとても高い時期です。絵本の読み聞かせをおこなうことで、多くの言葉に触れたり、日常で使う以上の語彙を吸収できたりします。自分の気持ちや想いを人に伝えることができるようになっていくでしょう。
また、絵本を読むことは人の感情を理解することにもつながります。登場人物の「うれしい」「悲しい」「楽しい」といった感情を理解し、他人の心を思いやる能力が身についていくでしょう。多彩なジャンルの絵本を読んで、色んな世界観にふれるようにしましょう。
人との関わりを増やすことは、社会性を育てることにつながります。多くの人と関わることで、協調性や人の心を思いやる気持ちなど、多くの能力を身につけます。まずは家族との信頼関係を築くことが第一優先ですが、徐々に親戚や友達と関わらせて、人との関わりを経験させましょう。
多くの人と関わっていると上手くいかないこともあると思います。しかし、それを含めてよい経験です。困っている際はサポートをしてあげるとよいでしょう。
子どもたちに多くの経験をさせることはよいことですが、第一に重要なのは子育てをする親の心構えです。子どもがよい経験をしても、親の関わり方次第ではその経験が無駄になってしまうおそれもあります。ここからは、3歳までの子育てで重要なポイントについて解説します。
子どもがやりたいことは自由にやらせて、色んな体験をさせることが大切です。「どんなことをさせればいいのだろう」と難しく考えず、日常の中で多くの体験をさせて色んな刺激を感じさせてあげてください。
子どもは非常に好奇心旺盛です。危険なことはこちらから止めてあげる必要がありますが、そうでない限りは自由にやらせてあげるとよいでしょう。やりたいことを制限しすぎることは、成長を妨げる要因となります。好奇心を尊重して、見守ってあげるのがおすすめです。
子どもを見守る中で、興味を持つことや好きなことをチェックするようにしましょう。これは大人も同じですが、興味のないことや嫌いなことを無理にしようとしても続きません。逆に、興味を持つことや好きなことであれば、時間を忘れて取り組めますよね。
興味を持つことや好きなことを理解して取り組ませることで、それが才能としてどんどん伸びていくこともあるかもしれません。表情や反応に注目して、興味を持つことを理解しましょう。
子どもと関わる中で、気づいたことや感じたことは夫婦で共有しておくことが大切です。それぞれが愛をもって子供に関わっていくなかで、それぞれが感じた情報を伝えあうと、さらに子どもの特性や興味を持つことが把握しやすくなります。「運動が好きだからスポーツに興味を持つのでは?」「音楽が好きだからピアノに興味を持つかな?」など、子どものこれからについても相談しやすくなるでしょう。
本記事では、3歳までの成長が重要な理由ややるべきこと、子育ての重要なポイントについて解説しました。3歳までにやるべきことは多くありますが、一番は子どもの興味・関心に応じて色んな体験をさせてあげることです。成長の速度は一人ひとり違うので焦る必要はありません。子どもの意思を尊重しながら、愛を持って関わり続けてあげてください。