2025.1.20
子どもの成長には個人差があると分かっていても、周りの子供達より言葉の遅れを感じたり、行動が遅めだったりすると不安になりますよね。
たしかに発達の遅れがある子どもたちは存在しますが、だからといって「周りより発達が遅いからウチの子は発達障害だ」と決めつけてしまうのはよくありません。元々の性格がおとなしかったり、黙々と物事に集中する性格だったりする可能性もあります。重要なのは、親として子どもの特性や性格を理解し、必要な声掛けや関わりをしてあげることです。
本記事では、発達が遅いと感じるポイントや言葉からわかる発達の目安、発達に対して注意することについて解説します。
入園や入学の準備で同年代の子どもを目にする機会も増えて、自分の子どもの発達に不安を感じる親御さんも多いのではないでしょうか?
「ウチの子は発達が遅いかも…」と感じるケースはさまざまですが、主に以下のようなポイントで感じることが多いでしょう。
それぞれ詳しく解説します。
一番わかりやすいのは、言葉の遅れです。コミュニケーションをとっている際に、子どもの話がとてもゆっくりだったり、伝えたことを理解していなかったりします。
話し言葉の遅れで気づくことが多いため、「話す能力が低いのでは?」と思われがちですがそうとも限りません。人間が言葉を理解して話す際には、「音として言葉を入力→言葉の意味がわかる→理解した内容を発語する」といった流れをたどります。そのため、どこに原因があって遅れが出ているかはさまざまです。
また、言葉の遅れは「脳の発達が遅い」と考える親御さんが多いですが、これも注意が必要です。もちろん脳の知的能力が原因のこともありますが、聴力がよくないことが原因になることもあります。原因を正しく把握して、それにあった対策をおこなうことが重要です。
集団行動をおこなうなかで、行動がゆっくりなことも発達が遅いかもと感じるポイントです。たとえば、なにかを行動に起こすのに非常に時間がかかったり、何度も声掛けをしてあげないと行動できなかったりします。
しかし、行動がゆっくりなのも子どもによって特徴がさまざまです。やるべきことは分かっていても純粋に行動をするのが苦手な子もいれば、そもそも言われたことの内容が分からないことで行動できない子もいます。行動がゆっくりなことにもさまざまな原因があるので、様子やどこでつまづいているのかなどを理解して関わってあげることが重要です。
言葉はまず頭のなかで理解し、少し遅れてから分かるようになった単語を話すようになります。そのため、言葉の遅れは「どのくらい言葉を理解できているか」を目安として確認する必要があります。
1歳のお誕生日をすぎると、多くの子どもがカタコトで言葉を発することができるようになっています。たとえば犬なら「ワンワン」、両親なら「マンマ」「パンパ」など、意味を含んだ言葉を発するでしょう。そのため、親御さんが「ワンワン」と言ったら犬を見るか、「ブーブー」と言ったら車を見るか、など単語の意味が理解できるかを観察してみてください。
2〜3歳の頃には語彙も増えて、言葉の理解もだいぶ進んでいるはずです。親御さんに言われたこともだいぶ分かるはずですので、「ご飯を食べよう」「おててを洗おう」などの指示どおりに行動できているか観察してみてください。また、さまざまなものの名前も分かるようになっているので、「色鉛筆を持ってきて」「青い服を持ってきて」なども伝えて観察してみましょう。
発達が遅いと感じると親御さんは不安になると思いますが、こんな時こそ親御さんの子どもに対する関わり方に注意しなければいけません。以下のような点に注意してみてください。
それぞれ詳しく解説します。
どうしても子どもの成長には個人差があります。発達が遅いと不安になる気持ちは分かりますが、子どもたちはさまざまなものに触れ、多くの体験をするなかで成長している途中です。その体験を通して、グンと成長することだってあります。そのため親御さんたちのできることは、成長を信じて見守ることです。
また、発達の遅れが気になりだすとできないことにフォーカスしがちですが、できていることにもしっかりフォーカスしてあげましょう。「えらいね!」と前向きな言葉をかけてあげると、さらに成長を促すきっかけとなります。
言葉をあまり発さない、積極的に行動しない子だと心配になりますが、元々の性格がおとなしかったり、黙々と物事に集中するのが好きな性格だったりする可能性もあります。声掛けに反応し、伝えたことが分かっている様子ならあまり心配しなくてもよいでしょう。
あまり話さない、あまり外で活発に動かないということだけで「発達が遅い」と決めつけず、子どもの特性や性格を理解してあげることが重要です。
周りの同年代と比べてできないことが多いと、否定的な声掛けをしてしまう親御さんは多いです。しかし、その否定的な声かけは発達をさらに遅くしてしまう要因になりかねません。
子どもの今を見てあげて、肯定的な声掛けをしたり、褒めてあげたりしてください。肯定的な声かけは子どもの自信につながります。
「どうやって肯定的な声かけをすればいいの?」と困ってしまう親御さんもいらっしゃるかもしれませんが、無理に褒めようとしなくても大丈夫です。「お手伝いしてくれてありがとう」「宿題がんばってね」など子どもを認める声掛けをしてあげるだけでも、「お母さんが自分を見てくれている」と喜びます。
発達の遅れは脳の特性のみで引き起こされるものではありません。視力や聴力などの身体的理由でも引き起こされてしまうことがあります。たとえば聴力に問題がある子どもは、周りが発した言葉をあまり聞き取れないことで、言葉に触れられなくなり発達が遅くなるおそれがあります。
原因は1つではないので、いち早く原因を把握し、子どもにあった対策をおこなうことが重要です。
発達をうながすためには、親御さんのサポートが必要不可欠です。子どもの発達のために、おうちで以下のようなことに取り組んでみましょう。
それぞれ詳しく解説します。
子どもは周りの言葉を聞いて、徐々に言葉を理解していきます。普段から子どもとどんどんコミュニケーションをとり、多くの言葉に触れさせるようにしましょう。
生まれてから1歳ごろまでは一方的に親が話しかけることが多いかもしれませんが、徐々に言葉のキャッチボールができるようになってきます。3歳までの期間は言語を習得する能力がとても高いので、積極的に子どもとコミュニケーションをとりましょう。
絵本の読み聞かせは、言語能力や想像力などを発達させるのにかなり効果的です。絵本の読み聞かせをおこなうことで、多くの言葉に触れたり、日常で使う以上の語彙を吸収できたりします。絵を見ながら話を聞くだけでも、ものの名前の理解や色の判別などができるようになっていきます。
また、手遊びも言葉の発達に効果的です。歌いながら楽しむことで、歌のなかの言葉を理解していきます。手の動きと言葉をセットで理解できるようになりますし、手先の器用さを発達させるのにも役立つでしょう。上手・下手は一切関係ないので、子どもの楽しむ心を大切にして一緒に取り組んであげてください。
もしどうしても心配になってしまう場合は、専門機関に相談するのも1つの方法です。子どもの発達に関しては、以下のような専門機関に相談するとよいでしょう。
本記事では、「発達が遅いかも…」と感じるポイントや言葉からわかる子どもの発達の目安、発達に対して注意することについて解説しました。
子どもの成長には個人差があるため、少し言葉の遅れを感じただけで「ウチの子は発達障害?」と決めつけてしまうのは良くありません。親御さんの決めつけや否定的な考え・言葉が、さらに発達を阻害してしまうおそれもあります。親として子どもの特性や性格を理解し、必要な声掛けや関わりをしてあげることが重要です。愛を持って関わり続けてあげてください。