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幼児の癇癪をやさしく落ち着かせる|正しい関わり方と対応策

2026.3.1

多くの親が一度は悩むのが、幼児期の激しい癇癪(かんしゃく)です。

床にひっくり返って泣き叫び、手をつけられなくなる姿を見ると、親として途方に暮れてしまうかもしれません。

しかし、癇癪は子どもが成長の過程で「自分の気持ち」と「現実」のギャップに直面し、それをうまく表現できないために起こる自然な現象です。

本記事では、幼児の癇癪が起こる根本的な原因を解説し、やってはいけない親のNG行動を

詳しく紹介します。

記事の後半では、子どもの才能や自己肯定感を伸ばすための具体的な対応策についても紹介しているので、最後までご覧ください。

幼児の癇癪はなぜ起こる?

激しい癇癪は多くの場合、子どもの心と体の発達のアンバランスから生まれます。

幼児期の子どもの脳と心は、早いスピードで成長していますが、まだ理性や我慢

を司る前頭葉(ぜんとうよう)の発達が未熟です。

例えば、おもちゃが欲しいであったり、遊びたいであったりなどの強い感情が生まれたとします。

子どもは「おもちゃが欲しいから貸して」「もうちょっと遊びたいからダメって言わないで」など、自分の欲求を相手にわかりやすく伝えるための語彙力や構成力が十分に発達していません。

また、「今は我慢しよう」「気持ちを切り替えて他のことをしよう」というブレーキ役の機能が、まだ十分に働かないのです。

つまり、強い感情が生まれた際に、語彙力と我慢する力が未熟なため、感情を処理できずに大爆発を起こしてしまい、癇癪に繋がります。

癇癪は、決して「わがまま」や「悪い子」だから起こるわけではなく、むしろ、「助けて!」「つらい!」という子どもからの心のSOSサインだと捉えると、適切な対応へと繋がります。

親が知るべき5つのNG行動

癇癪が激しいと親も動揺し、つい反射的に対応してしまいがちです。

しかし、親の接し方によっては、子どもの自己肯定感を傷つけたり、癇癪を悪化させたりする場合があります。

ここでは、以下の絶対に避けたい親の5つのNG行動をご紹介します。

  • 感情を否定する
  • 癇癪を無視する
  • 脅しや罰で抑えつけようとする
  • その場しのぎで要求を全て飲んでしまう
  • 親も感情的になり大声を出してしまう

感情を否定する

「そんなことで泣くなんてみっともない」「わがまま言わないの!」など、子どもの感情に対し、言葉で感情そのものを否定するのはNGです。

癇癪を起こしている時に子どもは「悲しい」「悔しい」といった強い感情を抱いています。

感情を親に否定されると、「自分の感じていることは間違っている」「この感情を出してはいけない」と感じ、自分自身を否定されたように受け取ってしまいます。

否定すると、感情をコントロールする練習の機会を奪い、将来的に自分の気持ちを表現することに苦手意識を持つ原因になる可能性があります。

癇癪を無視する

「泣き止むまで放っておこう」などと、子どもの存在や感情を完全に無視することもNGの一つです。

たしかに、無視すると「癇癪を起こしても無駄だ」と学習させたい親心は理解できます。

しかし、多くの場合、子どもは「親に気持ちが伝わらない」と感じ、不安や孤独感を抱きます。

特に、親の注意を引きたいという目的で癇癪を起こしている場合、無視は逆効果となり、さらに物を投げるなどの激しい行動へとエスカレートさせてしまうリスクがあります。

脅しや罰で抑えつけようとする

「泣き止まないとサンタさんが来ないよ」「おもちゃを全部捨てるよ!」などといった脅しや、叩く、部屋に閉じ込めるなどの罰で癇癪を止めさせようとするのもNGです。

脅しや罰は、表面上はすぐに癇癪を収めるかもしれませんが、恐怖によるものです。

子どもは、自分の感情を恐怖によってねじ伏せられただけであり、感情の処理や切り替えを学んではいません。

そのため、親子間の信頼関係が損なわれるだけでなく、子どもが「力のある者に従うしかない」という学習をし、自己肯定感の低下や、嘘をつくといった行動につながる恐れがあります。

その場しのぎで要求を全て飲んでしまう

スーパーで泣き叫ばれたから、欲しくないものまで買ってあげてしまったり、疲れて早く帰りたいから、駄々をこねる子どもの言いなりになってしまうなどの行動は、「即時強化」と呼ばれる現象を引き起こし、癇癪を繰り返すパターンを最も強く学習させてしまいます。

泣き叫べば、最終的に親は要求を飲んでくれると学習すると、子どもにとって癇癪は目的を達成するための最も有効な手段になってしまいます。

要求に応じる前に、一旦クールダウンさせることが重要です。

親も感情的になり大声を出してしまう

子どもが大声で泣き叫ぶと、親もイライラして大声を出してしまうのもNG行動の一つです。

親が感情的になって怒鳴ると、子どもに「感情の爆発は声の大きさで解決するものだ」という誤った手本を教えてしまいます。

また、親の大きな怒りの声は、子どもの不安を増幅させ、感情をさらに混乱させてしまうため、まずは親自身が深呼吸し、冷静な姿を示さなければなりません。

癇癪への具体的な対応策

激しい癇癪が始まったらどうしたら良いか悩んでいる人も少なくないはずです。

ここでは、子どもの感情に寄り添いながら、自立と成長を促すための具体的な3つのステップを紹介します。

  1. 安全確保とクールダウン
  2. 感情のオウム返し
  3. 代替行動の提示と解決
  1. 安全確保とクールダウン

激しい癇癪が始まったら、最優先すべきは子どもの安全確保です。

例えば、以下のような行動を取る必要があります。

  • 周囲の危険物を取り除く: 子どもが体を打ち付けそうな硬い物、投げそうな危険な物を遠ざけます。
  • 場所を移動する: 可能であれば、周囲の目を気にせず親子の心も落ち着く静かな場所に移動します。
  • 物理的な距離を保つ: 大声を出したくなる衝動を抑えるため、子どものすぐそばではなく、1〜2歩離れた場所で静かに見守ります。親が落ち着いて見守る姿勢が、子どもにも伝わります。

癇癪の最中は、何を言っても耳に入らない状態ですので、無理に説得しようとしたり、抱きしめようとしたりせず、命を守りつつ、落ち着くのを待つようにしてください。

  1. 感情のオウム返し

子どもが少し落ち着き、呼吸が収まってきたら、親は冷静なトーンで子どもの感情を言葉にして返します。

例えば、以下のような声かけが有効です。

  • 「そうか、おもちゃを取られちゃって、すごく悲しいんだね」
  • 「遊びを途中でやめなきゃいけなくて、悔しい気持ちでいっぱいなんだね」
  • 「自分でやりたかったのに、うまくいかなくてイライラしたんだね」

ポイントは、「状況」と「感情」をセットで言葉にする点です。

感情のオウム返しをすると、子どもは「自分の気持ちが伝わった」という安心感を学びます。

感情を受け止めてもらうと、子どもは一人ではないと感じ、心の安定を取り戻しやすくなります。

  1. 代替行動の提示と解決

感情を受け止めた後、何が問題だったのかを明確にし、次にどうすれば良いかを提案します。

例えば、以下のようなステップで声かけをします。

  1. 問題の確認: 「おもちゃは、貸してって言えればよかったね。いきなり取り上げるのはルールじゃないよ。」
  2. 代替行動の提示: 「悲しい時は、まず『かして』って言ってみようね。もし貸してくれなかったら、ママに『助けて』って言ってもいいんだよ。」
  3. 解決と切り替え: 「泣き止めたね、すごい!次はどうする?もう一回チャレンジする?それとも、絵本を読んで少し休む?」

上記のようなステップを通して、子どもは癇癪以外のもっと良い解決方法を学習します。

大切なのは、子どもが「怒らないこと」ではなく、怒りの感情を、社会的に受け入れられる適切な方法で表現し、解決する力を教える点です。

癇癪を予防する日々の工夫

癇癪が起こってからの対応も大切ですが、日々の生活の中で癇癪が起こりにくい環境や習慣を作るのも、親の重要な役割です。

癇癪を予防するための工夫を以下の4つに分けて紹介します。

  • ルーティン化
  • 選択肢の提供
  • ポジティブな声かけ
  • 感情語彙を増やす練習

ルーティン化

予測不能な出来事は、まだ心の安定が未熟な幼児にとって大きな不安要素となります。

一日の流れを可能な限り一定にするルーティン化は、子どもに安心感を与え、心の準備を助けてくれます。

例えば、「ごはん→歯磨き→お風呂→絵本→就寝」の流れを毎日同じ順番で行い、ルーティンを崩すときや、遊びを中断する際には、「あと5分で終わりだよ」「次は歯磨きだよ」などと、事前に予告を入れます。

ルーティン化や事前に予告を入れておくと、子どもは次に何が起こるか予測できるようになり、切り替えができない苛立ちを減らし、癇癪を予防できるようになります。

選択肢の提供

「あれをしなさい」や「これをしなさい」と親に全て決められると、自立心の強い幼児にとってストレスになります。

自分で選ぶ機会を与えると、子どもの自己肯定感を育み、主導権を握れたという満足感から癇癪を起こしにくくなります。

例えば、以下のように選択肢を与えると良いです。

(NG)「早くこの服を着なさい!」

(OK)「赤のTシャツと青のTシャツ、どっちにする?」

(NG)「今すぐお片付けしなさい!」

(OK)「ブロックと電車、どっちからお片付けする?」

ただし、選択肢は2〜3個までに絞り、親が飲める範囲のものに限定すると効果的です。

ポジティブな声かけ

できていないことや失敗したことに注目するのではなく、できていることや頑張っているプロセスに焦点を当てて褒めるのも重要です。

例えば、以下のように声かけをします。

(NG)「最後まで食べなきゃダメでしょ」

(OK)「苦手なピーマンも一口食べられたね、すごいよ!」

特に、癇癪が起こりそうな場面を我慢できたときや、泣かずに言葉で伝えようとしたときは、褒めるようにしてください。

言葉で伝えるという行動を強化すると、癇癪という行動が徐々に減っていきます。

感情語彙を増やす練習

「悲しい」「嬉しい」などの感情だけでなく、「いらいら」「もやもや」「がっかり」「興奮」など、より複雑な感情を表現する言葉を日常会話に取り入れます。

例えば、絵本を読むときに「主人公は今、どんな気持ちかな?」と問いかけます。その後に親自身の気持ちを「ママは〇〇がうまくいかなくて、ちょっとがっかりした気持ちだよ」などと親の感情も言葉にして伝えます。

感情を名前で呼べるようになると、子どもはモヤモヤした時に「今はイライラしている」と自分で認識し、爆発する前に言葉で表現できるようになる訓練になります。

まとめ

幼児の激しい癇癪は、親子の愛情を試す試練のように感じられるかもしれません。

しかし、癇癪は子どもが、自分の心と向き合い、社会の中で生きていくための感情の取り扱い方を必死に学んでいる証拠です。

癇癪は、子どもはわがままを言っているのではなく、「自分の気持ちをわかってほしい」「助けてほしい」という、言葉にできないSOSを発しています。

無理に感情を抑え込んだり、否定せずに、親が落ち着いて対応できるようになると、子どもの癇癪は自然と収まっていきます。

また、本文で紹介した具体的な対応策や日々の予防策を実践すると、子どもは「自分の感情は受け入れられるものだ」「困難は乗り越えられるものだ」と感じ自己肯定感が育まれます。

自己肯定感が育まれると、将来の才能を大きく伸ばす土台となるでしょう。

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